デンマークの頭シラミにおけるペルメトリン・マラチオン耐性調査:概略

頭シラミのペルメトリン・マラチオン耐性を調査したが、その前に体シラミに対して識別服用量検定を行った。 両殺虫剤はシラミ致死量の2倍を用いた(シラミ一匹に対して、ペルメトリン2ナノグラム、マラチオン100ナノグラム)。 頭シラミはデンマーク国内の初等学校33ヶ所、幼稚園1ヶ所、寄宿学校7ヶ所から採取した。 シラミは乾いた状態の髪を吸引装置のついた目の詰まったシラミ用櫛で梳いて採取した。 デンマークのシラミが示すペルメトリン耐性・マラチオン耐性発生率は高い。 ペルメトリン耐性テストでは、24サンプルのうち、17サンプルですべてのシラミが識別服用量で死滅することはなかった。 6サンプルでは3~25%のシラミが死滅し、1サンプルでは60%のシラミが死滅した。 マラチオン耐性試験では、25サンプルのうち、9サンプルですべてのシラミが識別服用量で死滅することはなかった。 7サンプルでは25%以下のシラミが死滅し、4サンプルでは50%以上のシラミが死滅した。 ペルメトリン耐性とノックダウン様耐性変化との関連が我々の調査で確認された。 ペルメトリン耐性に絡んだナトリウムルート遺伝子内のT929I-L932Fの2変化の発生率はデンマークのシラミでは0.95だった。

頭シラミ(Pediculus capitis De Geer)は世界中で見られる寄生虫で12歳までの子供によく見られる。 近年、シラミトラブルが世界中で増加傾向にあり、シラミ撲滅剤に用いる殺虫剤に対しシラミが耐性を強めてきていると思われる。 アルゼンチンでペルメトリン耐性について研究を行ったところ、シラミの多くがペルメトリン耐性を持つことが判明した。

アルゼンチンのシラミのペルメトリン耐性にはシトクロムP450が主な働きをしているとされる。 イスラエルのシラミからは、一酸素添加酵素ベースのペルメトリン代謝抵抗メカニズムがペルメトリン耐性を引き起こす唯一の要因と報告されている。 日本・アメリカ・イギリスのシラミのペルメトリン耐性にはナトリウムルート内の3変化(M815I/T929I/L932F)が絡んでいる。 この3変化は一緒に存在し、ハプロタイプとして共存していると考えられる。また耐性発生率を測定する方法が確立された。 マラチオン耐性を備えたシラミがイギリスで発見され、その耐性にはアセチルコリンエステラーゼメカニズムが関わっているとされる。

デンマークではシラミ撲滅剤にペルメトリン・マラチオンのみが使用されていたが、これらの薬剤にシラミが耐性をつけてきたのではないかという声が使用者から過去10年にわたりあがっていた。 また、両薬剤を用いても治療に失敗する例があった。

この研究の目的はデンマークのシラミのペルメトリン耐性・マラチオン耐性の状況を解明し、ペルメトリン耐性を引き起こすとされるT929I-L932Fナトリウムルート変化の広まり具合を調査することにある。

データと手順

体シラミ:

(Pediculus humanus L)は一度も殺虫剤にさらしたことのないものを在ドイツUBAで保管し、翌朝デンマークコペンハーゲン近郊にあるDPILに移送し、ただちに実験を行った。

頭シラミ:

シラミはデンマークの初等学校33ヶ所(6歳~15歳)、幼稚園1ヶ所(3歳~6歳)、寄宿学校7ヶ所(14歳~16歳)から採取し、 抜き取り標本は無作為ではなかった。対象学校はシラミ感染の頻度が高いところを選別した。

子供の寄せる回答からシラミに寄せる関心が低いことがわかった。DPILのホームページ上で「無料のシラミ採取を行う」と掲載すると、 69人(14歳~25歳)の応募があった。DPILのホームページは毎日5~600件のアクセスが世界各地からあり、 2004年にはDPILのシラミパンフレットのダウンロード件数は14000に達した。

シラミは乾いた状態の髪を、吸入管を取り付けた非常に目の詰まった特殊なシラミ用櫛で梳いて採取した。 シラミ用櫛を吸入器の吸い口の開口部に取り付け、フィルターカップを吸入器チューブとの接合部に据え付けた。 吸い口が作動すると、髪の一部が開口部に吸い込まれ、櫛が髪の根元へと移動し、髪目に入り込む。 生え際から5センチを丹念に梳いた後、毛先まで何回か梳く。髪を梳くことで、シラミは支えを失い、フィルターに集められる。 シラミは採取後すぐに毒素検査にかけられた。検査を行えない場合は最高で4時間、20℃、相対湿度90%の状態で保存した。

1441人の髪を梳き、そのうち208人からシラミを採取した。

毒素分析:

体シラミを布切れにつけて小さなガラス瓶に移し、光を当てずに20℃、相対湿度90~95%で保管した。 致死率は(死滅もしくはマヒ状態のシラミの数)、2・4・6・24時間後の4回記録された。 致死服用量5・50・95だった時の殺虫剤濃度vs致死率を座標軸にとり視覚化した。 また識別服用検定法を用いてシラミのペルメトリン・マラチオン耐性をテストした。

シラミの成虫・成長第3期にある幼虫を用意し、1匹につき2ナノグラムのペルメトリン、もしくは100ナノグラムのマラチオンで検査した。

シラミを布切れにつけて小さなガラス瓶に移し、光を当てずに20℃、相対湿度90~95%で保管した。

致死率は(死滅もしくはつついても動けないマヒ状態にあるシラミの数)4時間後に記録した。

最低で10匹のシラミが対照実験(control)に用いられた。残りのシラミは均等に分け、ペルメトリンとマラチオンでテストした。

もし20匹以下の場合はペルメトリンとマラチオンのどちらかでテストした。

ペルメトリンは在フランスのRoussel Uclafから入手したグレード97%のもので、マラチオンは在デンマークのCheminovaから入手したグレード96%のものを使用した。

T929I-L932Fノックダウン様耐性変化のゲノム化:

ゲノムDNAが成虫・幼虫から抽出された。シラミをゲノム化して、T929I-L932Fの出現を調べるためにPCR-エンドヌクレアーゼ法を用いた。

結果

識別服用量検査はDPILでハエやゴキブリを対象に行われており、シラミにも適用された。 ペルメトリンとマラチオンの基準感染性は体シラミを用いて殺虫剤を使用後2・4・6・24時間で検出した。 1000匹以上の体シラミがペルメトリンとマラチオンを用いてテストされ、分析では比較致死率はごくわずかだった。 シラミ分析も行ったところ、24時間後の致死率がきわめて高いことがわかった。

ペルメトリンとマラチオンの検出法を行い4時間後に変異性を調べたところ、ペルメトリンLD(致死服用量)50では一匹あたりのペルメトリンは0.06と0.30ナノグラムの間で変化し、ペルメトリンLD95では一匹あたりのペルメトリンは0.20と1.46の間で変化した。 LD50とLD95のペルメトリン平均変異値は、LD50が0.15±0.08、LD95が0.54±0.40ナノグラムだった。 マラチオンの変異性はマラチオンLD50では1匹あたりのマラチオンは5.0と17ナノグラムの間で変化し、マラチオンLD95では一匹あたりのマラチオンは8.9と98ナノグラムの間で変化した。 LD50とLD95のマラチオン平均変異値は、LD50が11±4.0、LD95が45±29ナノグラムだった。 我々の試みは選別服用量検定において耐性が低くても、それを検出できる服用量を選定することだった。

結果最適なのはLD99だったが我々の検定で正確に行えたのはLD5~LD95内であったので選定外とした。

判定服用量は一匹につきペルメトリンが2ナノグラム、マラチオンが100ナノグラムとした。 これは致死率がほぼ100%に達する服用量である。

デンマークにおけるペルメトリン耐性調査:

24サンプルのうち17サンプルで、すべてのシラミが識別服用量で死ぬことはなかった。 6サンプルでは3~25%のシラミが死滅し、22番サンプルでは60%のシラミが死滅した。

0・2・8・32・128・512ナノグラムのペルメトリンを用いて、18番と22番サンプルのシラミをテストした(各量につき20匹)。 4時間後、18番サンプルでは2匹のシラミが死んだ。識別服用量調査で、デンマークのシラミがペルメトリン耐性を持つ割合が高いことがわかった。

デンマークにおけるマラチオン耐性調査:

25サンプルのうち9サンプルにおいて、すべてのシラミが識別服用量で死ぬことはなかった。 全サンプル中、7サンプルで25%以下のシラミが死に、4サンプルで50%以上のシラミが死んだ。

最高致死率は19番サンプルの80%だった。18番・20番サンプルには、0・6・25・100ナノグラムのマラチオンを用いた(各量につき20匹)。

18番サンプルでは120匹のうち4匹が4時間後に死んだ。識別服用量調査で、デンマークのシラミがマラチオン耐性を持つ割合が高いことがわかった。

デンマークの頭シラミにおけるノックダウン様耐性2変化の発生率:

32サンプルから採取された507匹のシラミからDNAが作成された。ナトリウムルートのゲノム化が449匹で成功した。 58匹からはPCR生成物は検出されなかった。 ナトリウムルート遺伝子T929-L932を備えたシラミはデンマークでは稀であり、2.7%に過ぎない。

デンマークのシラミにおけるT929I-L932Fノックダウン様耐性変化の発生率は0.95%で449匹のうち411匹が同型接合体耐性を持ち、 3匹は異なる遺伝子型をしていた。 38番サンプルから採取された1匹はG943T変化を見せた。

論考

デンマークの頭シラミにはペルメトリン耐性・マラチオン耐性が見られる。 耐性レベルはかなり高い。シラミ撲滅剤に対し耐性を強めてきていることを証明するための臨床実験は行われてこなかった。 近年イギリスの研究で、マラチオンを用いた場合の治癒率が17%、ペルメトリンを用いた場合の治癒率が10%と酷く低いことが判明した。 ペルメトリンをベースにしたシラミ撲滅剤が効かなくなってきたのはノックダウン様耐性が広まってきたことによるものと考えられる。 治療失敗例の一つを除き、すべてのシラミにT929I-L932Fノックダウン様耐性2変化が認められた。

ペルメトリン耐性が記録されたのは、ペルメトリン含有シャンプーがイスラエルとイギリスで発売されてから数年後である。 以前使用されていたDDTに対して耐性が広まっていたことも一因であるし、ほとんど致死量に近い濃度の殺虫剤に耐性をつけたシラミの存在も一因である (シャンプーの希釈によるもの、あるいは、すすぎ残しに含まれる殺虫剤に対して耐性をつけるシラミが存在する)。

アメリカ、イギリス、日本のシラミのペルメトリン耐性にはM815I/T929I/L932Fの3変化が関与している。 ノックダウン様耐性変化の存在と発生率はテキサス、フロリダ、カリフォルニアのシラミの毒性データと関連がある。 13番サンプルから毒性データとT929I-L932F発生率データを得た。 T929I-L932Fの発生率は1つを除いたすべてのサンプルで1.0であり、識別服用量検定では致死率は0~20%だった。 例外は22番サンプルで、T929I-L932Fの発生率が0.8、致死率が60%だった。T929I-L932Fとペルメトリン致死率との相関関係は大きい。 マラチオン耐性に寄せる関心は少ないが、イギリス、フランス、オーストラリアから報告されている。

イギリスのマラチオン耐性にはアセチルコリンエステラーゼが関与しているとされる。共働薬研究によれば、アメリカの(シラミの)マラチオン耐性には 複数の耐性メカニズムが関与しているらしい。マラチオン耐性をもつシラミの発生率が高くなっていることが最近の研究で報告されている。

デンマークのシラミの耐性メカニズムを解明することは有益であろう。

頭シラミのナトリウムルート変化の識別

ペルメトリン耐性に絡み、シラミのナトリウムルート遺伝子内に二つの変化(T929I-L932F)が起こることがわかった。 一つは、耐性を持たないもの、もう一つはT929I-L932Fハプロタイプで、これはヌクレオチドが単一で変化する(SNP)。 シラミがナトリウムルート内でG943Aと呼ばれる置換を引き起こすSNPを所有することがわかった。これは他の昆虫からは確認されなかった。

DNAゲノムを用いたポリメラーゼ連鎖反応制限エンドヌクレアーゼ法で耐性を持つ遺伝子、持たない遺伝子を識別した。 SNPはT929Iと呼ばれる置換を引き起こし、またSsp1と呼ばれる制限エンドヌクレアーゼをもたらす。 Ssp1が一つ、もしくは二つあれは、そのシラミはT929I-L932Fハプロタイプと判定できる。

シラミはありふれた害虫で、学童期の子供(~12歳)によく見られる。 昨今は多くの国々でその問題が増加傾向にある。イギリス、オーストラリア、アルゼンチンではシラミが耐性をつけだしているという報告もあり、 また駆虫剤の売り上げも伸び、デンマークではシラミ治療失敗例の報告もあることからシラミ撲滅剤で使用されている殺虫剤に対し、 シラミが耐性を強めてきている可能性がある。

アメリカ、イギリス、日本のシラミに起こるM815I/T929I/L932Fの3変化がペルメトリン耐性に関与しているとされる。

この3変化はハプロタイプとして共存しているらしい。つまり、ペルメトリン耐性を持つハプロタイプのシラミが世界中に存在する。 T929I変化はノックダウン様耐性(kdr-like)で、背中にダイヤモンド柄のある蛾と近年では“体シラミ”にも見つかっている。

T929I-L932Fの発生率が増加しているのはペルメトリン耐性を持つシラミのノックダウン様耐性に関与している。 つまり、ペルメトリン耐性の発生率が高い共通の表現型を持つシラミは耐性対立遺伝子の発生率も高い。 殺虫剤の共働薬に存在するピペロニルブトキシドがその耐性作用を助けていた。ペルメトリンに対して複数の耐性メカニズムが出現している。 この研究の目的はデンマークのシラミに見られるT929I-L932F変化の存在と発生を調査し、シラミのペルメトリン耐性を測定する簡単で迅速な方法を確立し、実行することにある。

データと手順

デンマークの子供からシラミを採取した。

A学校では42人中3人にシラミを発見、3人のうち1人にはシラミ1匹、残りの2人には50匹以上のシラミがたかっていた。 B学校では29人中4人にシラミを発見、そのうち2人には50匹以上のシラミ、1人には19匹の孵化したてのシラミ、 最後の1人にはメスのシラミ2匹とオスのシラミ10匹がたかっていた。 C学校では88人中7人にシラミを発見、1人は50匹以上のシラミ、残り6人には3~17匹のシラミがたかっていた。

DPILのサンプルは200匹以上のシラミがたかった幼児から採取した。

ゲノムDNA摘出:

ゲノムDNAはシラミの成虫と幼虫から個々に摘出した。

シラミは均質化し、30分培養した。その後、ホモジェネート(細胞構造を細かく破壊して得る懸濁液)は室温で10分間遠心分離機にかけた。 その上澄み液をチューブに移し、96%エタノールでDNAを沈殿させた。 そのサンプルを20分間、マイナス20℃まで冷却し、7分間遠心分離機にかけて球状にした。 そのDNA球は70%のエタノールで洗浄し、風乾し懸濁させた。

PCR制限エンドヌクレアーゼ分析:

ナトリウムルート内で、T929IとL932Fの置換が起こるかどうかを調べるべく、シラミをゲノム化する為に、PCR制限エンドヌクレアーゼ法が開発させた。 2種類の外部分子と内部分子で561番塩基対切片を増幅させた。

Ssp1で切片を分断すると耐性を持つゲノム、耐性を持たないゲノムに作用する耐性酵素パターンが判明するだけでなくヘテロ接合体も突き止めることができる。増幅条件は95℃で1分間を35回繰り返し、ディナチュレーションを94℃で30秒、アニール(核酸を熱して1本鎖にしたのち、徐々に冷却し再び2本鎖にすること)を56℃で30秒、拡張に72℃で60秒、最終拡張には72℃で10分間の時間を要した。10マイクロリットルの切片をSsp1で蒸解し、3%のアガロースジェル電気泳動で分析した。紫外線下で視覚化する為にエチジウム臭化物染色作用を利用した。

結果と考察

T929I-L932Fハプロタイプのシラミ:

T929IとL932F変化を分析すべく複数の学校からシラミを採取し、ゲノムDNAは43匹のシラミから作成し 、ナトリウムルート遺伝子の561番塩基切片をPCRエンドヌクレアーゼ法により増幅した。

561番塩基切片がナトリウムルート遺伝子であると結論づけた。

ゲノム配列ではコード配列が2種類のイントロンで分断された3種類の異なる配列が認められた。 耐性のない配列は10匹のシラミに見られ、T929I-L932F変化は32匹のシラミから検出、そのうち6匹はヘテロ接合体だった。 1匹は異なる表現形を示した。耐性を持たない10配列と耐性を持つ32配列に種類変化は認められなかった。

コード配列での唯一の変化は2ヶ所でC→Tへの変換が見られたことだった。これがT929I-L932F置換を引き起こし、耐性を持つハプロタイプを形成する。

ペルメトリン耐性に関与するT929I-L932Fハプロタイプの存在がデンマークのシラミに認められた。

他国のハプロタイプと比較してみるのも興味深いかもしれない。

ナトリウムルートの変化:

一匹のシラミが異なるヌクレオチド配列を所有し、G→Cに変化しているが、これがG943置換をもたらす。

ph45配列は耐性のないT929I-L932Fで性質の異なるイントロンを所有していた。G943A変化はT929I-L932F変化と似ており、 ナトリウムルート上で出現したが、他の昆虫からは確認されていない。

ノックダウンゲノム化手法の確立:

PCR切片を分類していくと、耐性のあるもの/ないもの両方にSsp1の分断面があることがわかる。 1ないし2つのSsp1分断面が出現した場合、それはT929I-L932Fハプロタイプと判断可能である。 耐性のないシラミは429と131塩基対の2ヶ所で確認できる。 耐性のあるシラミは370・131・60の塩基対3ヶ所で確認できる。 429・370・130・60塩基対4ヶ所はヘテロ接合体を示す。個々のシラミは配列を調べることなくゲノム化した。

43匹中2匹におけるゲノム化は信憑性が足りない。

あるシラミではPCRが低かったので、PCRエンドヌクレアーゼ法により耐性のないもの、あるいはヘテロ接合体の出現を予想したところ、 実際の配列は耐性なしを示した。別のシラミはヘテロ接合体と予想されたが、耐性なしを示すバンドが弱めに出た。

43匹のシラミをPCR制限エンドヌクレアーゼ法でテストすることにより、ヌクレオチド配列結果を確認した。 しかし被験者の5%の結果は疑わしく、更なる検査で精度を上げられるだろう。

T929I-L932Fノックダウン様耐性を持つハプロタイプの発生率は4ヶ所から採取したサンプルの中で0.67だった。 デンマークのシラミがピレスロイド耐性を持つかどうかを確認するには更なる調査が必要だ。

デンマークではDDT耐性をもつシラミのケースも1970年代に報告されている。

過去20年、デンマークではシラミにはペルメトリンが広く使用されていた。 耐性のあるナトリウムルート対立遺伝子、耐性のないナトリウムルート対立遺伝子を選別する為にゲノムDNAを用いたPCR制限 エンドヌクレアーゼ法が実行された。

この手法により、3種類のゲノムはアガロースジェル上に出現したバンド数で容易に選別できる。 PCR制限エンドヌクレアーゼ法のメリットは低価格と必要な装置の少なさにある。 デメリットはG943Aのような新しい対立遺伝子が検出できないことである。

TaqMan分析やペルメトリン耐性を持つシラミのゲノム化の為に近年開発された増幅反応法は運用費が高く、 新種の耐性誘引対立遺伝子を検出できないというデメリットがあるがメリットはジェルを使用しなくて済むということである。